本文へスキップ

株式会社田幸は芯地を中心とした衣料資材のメーカーです。

TEL. 058-271-6661

〒500-8615 岐阜県岐阜市南鶉5丁目52

毛芯地

日本の毛芯地の歴史○○○○○○○○イメージ

 わが国の毛芯の歴史は、戦前と戦後に画然と分けることができる。
戦前は総て輸入で賄い、戦後昭和23,4年頃に家内工業で始まったのが、わが国の毛芯のはしりといえる。昭和初期に和服から洋服の時代に入ったものの、毛芯はイギリス、ドイツ
を主とする欧州からの輸入に依存していた。昭和12年以降戦時体制に入り暫時国民服・もんぺの着用となり、芯は麻芯・ガラ紡芯が主流を占めていた。従って我が国の毛芯の歴史は愛知県から岐阜県に跨る地域で戦後の家内工業として始まったのが幕開けである。

 
昭和20年代はガラ紡・麻芯の黄金時代を飾り、その後毛芯が昭和30年代に入り飛躍的に 伸びた。昭和30年代中盤には岐阜県岐阜・大垣地域が主産地となり、以降現在に至るまで 紡績・織布・整理の一貫分業体制が確立し、大企業には出来ない特殊地場産業として成長す るにいたった。
 紡績・整理両分野における技術革新と設備の近代化により量産に入った毛芯は、需要の高
級化と共に大衆化し、紳士服には欠かせないものとなった。
 昭和36,7年頃より東南アジア・中近東・北米・更に欧州・南米・豪州と伸展し昭和40年代
に入り世界一の輸出国となる。技術面でも研究開発された人髪原料を巧みに生かす紡織技 術はわが国固有のものであり、この人髪毛芯は北米・欧州を始め、海外で品質・コストの両面 から極めて好評で、輸出の大半を占めていた。総じてわが国の毛芯の歴史は、生みの親欧州 が100年の歴史を培ってきたのに対して、僅か20年で同格にはいったといえる。
 昭和50、60年代に黄金時代を迎え、その後、後進国の追い上げや縫製基地が中国をはじ
めとする海外に移ったこともあり、国内の生産は減少している。
 最近は表地の多様化やファッションのカジュアル化が進み、毛芯縫製率が減少し益々逆風
が吹いている。また産業界や社会全体には地球への環境負荷軽減が叫ばれています。この 様な環境の中、これからの毛芯を考えると、地球に優しい物作りが要望されている。この点毛 芯は天然繊維が多く、またリサイクルしやすいので、地球への負荷は小さいといえる。弊社は日本で毛芯地を作られ始めた頃より、毛芯地の生産を続けている唯一の企業です。


毛芯地の原材料と特性

 毛芯地は繊獣毛(ヘアー)の持つ弾力性を生かし、その張り腰の良さによって原料を選定いたします。主な繊獣毛の種類は以下の通りです

ヤク  ヒマラヤ山系チベット地方の4,000m以上の高地に生息する牛の尾毛で毛芯の原料では馬  毛の次に太くてかたい剛毛で、張り腰はあるが可紡性が乏しいのが欠点。色は黒と灰褐色がある。
ゴードヘアー 山羊毛で中国・インド・パキスタンに生息し、ヘヤーは白、茶褐色 をしていて太くてかたい繊維と細くて短い毛が混在し、ダウン量は 少なく精毛後毛芯の原料又自動車用カーペットに使用しているが、 近年合成繊維に押されて少なくなっている。
グレーウール ルーマニア産が多く羊がダウン種が退化現象又は突然変異等に より、繊維の全部又は一部が濃茶色となったもので、毛足が長くカ ラクルに比べて張り腰がある。
カラクル  南アフリカが多くグレーウールと同種、羊が退化し濃茶色となったものでグレーウールに比べて細かくて毛足が短いが、ウールより腰があり可紡性に富む為、毛芯地の主原料として使用されている。 
キャメル  モンゴル・アフリカの砂漠地方に多く、年一回晩春に脱毛し堕ちた 毛を採取する。長くかたいガードヘヤーと柔毛が混生していて、毛芯 地にはガードヘヤーを精毛して使用する。繊維長は10cm~20cm と長い。
カシミヤ モンゴル黄河流域・インドカシミール地方に生息するカシミヤヤギの毛で、太いヘヤーと極めて細かく柔らかい毛が混生していて、毛芯地にはガードヘヤーを使用する。毛は年一回晩春に脱毛するので、櫛で梳き取る。
アルパカ  南米ペルーが生産地で、山羊の一種で繊維は長く張りがある。繊 維の髄が中空になっていて、吸湿速度がウールに比べて2倍早く、 その中空構造から温度の伝導をさえぎるので冬は暖かく夏はすず しい。
ラスター  英国が産地の長毛種でウールより長くて太く、クリンプやスケール が少ない為、光沢がありモヘアに似ているので、モヘアに混ぜて使 用している事が多い。
馬毛 中国が多く尾毛、たてがみ等で黒・白・茶褐色があり、紡績する事 が不可能な為、1~3本集束したものに綿糸を巻いて使用してい る。
ウール  毛芯に使用するウールは羊毛の雑種・ダウン種の腹・足の部分が太くて腰のあるウールを使用し、多少黄ばんでいる。(ステンドウール)
モヘア  アンゴラヤギの毛で南アフリカ・トルコ・アメリカが産地で光沢があり、手ざわりがなめらかで、高温多湿の日本の風土にもっとも適した繊維。
○○○○○○○○イメージ

バナースペース

株式会社田幸

〒500-8615
岐阜県岐阜市南鶉5丁目52

TEL 058-271-6661
FAX 058-271-8531